Dレンジの時にブレーキ踏むとなぜ車が止まれるのか

オートマチックトランスミッション(AT)車で、Dレンジ(ドライブ)に入れた状態でブレーキを踏むと車が止まる理由は、トルクコンバーターという部品に関係しています。ここでは、トルクコンバーターの役割と車が停止する仕組みを説明します。

1. トルクコンバーターの役割

オートマ車のトランスミッションには「トルクコンバーター」という部品が使われています。トルクコンバーターはエンジンとトランスミッションの間に位置し、エンジンからの回転力をトランスミッションに伝える役割を果たします。トルクコンバーターは、流体(ATF=オートマチックトランスミッションフルード)を使って回転力を伝達し、エンジンがアイドリング状態でも車がスムーズに動き始めるようにします。

2. Dレンジでのブレーキ操作

  • **Dレンジ(ドライブ)**に入れると、トルクコンバーターを通じてエンジンの回転力が直接トランスミッションに伝わり、車が前進する状態になります。
  • しかし、ブレーキを踏むと、車が止まるのは、ブレーキがトルクコンバーターの回転を制御するためです。

トルクコンバーター内には、いくつかの部品があり、最も重要なのは「インペラ(回転する部分)」と「タービン(もう一方の回転部分)」です。これらは液体(ATF)で連結されており、エンジンの回転力が流体を介してタービンに伝わり、車が前進します。

3. 車が停止する仕組み

  • ブレーキを踏むと、車輪が止まり、車全体が停止します。
  • このとき、トルクコンバーターのインペラ(エンジン側)が回転していても、タービン(トランスミッション側)は液体の力で回転しようとしますが、ブレーキが車輪を止めるため、タービンも回転しなくなります。つまり、ブレーキが踏まれることによって、車が止まるということです。

トルクコンバーターは、エンジンの回転と車の回転を流体で連結していますが、ブレーキが作用することで、車輪の回転が止まり、車全体の動きを止めることができるという仕組みです。

4. エンジンアイドリング時の流れ

  • 車が完全に停止している状態でも、エンジンはアイドリング回転を維持しています。アイドリング回転はトルクコンバーター内で少しだけ液体を流す力を生み出しますが、この流れが弱いため、車は止まります。エンジンがアイドリングしている間、ブレーキが踏まれることで車輪の回転が止まり、車はその場に留まります。

5. まとめ

Dレンジでブレーキを踏んで車が止まる理由は、トルクコンバーターが車の動きを制御しているためです。トルクコンバーターはエンジンの回転力をトランスミッションに伝えますが、ブレーキを踏むことで車輪が停止し、車全体が止まります。トランスミッション内部の流体によって、エンジンの回転と車輪の回転が連動し、ブレーキがそれを制御する仕組みとなっています。

Review after registration

login page