リーディング(Leading)とトレーリング(Trailing)は、主にドラムブレーキのシュー(ブレーキシュー)に関連した用語で、ブレーキシューがドラムの中でどのように働くかを表すものです。これらの用語は、ドラムブレーキシステムでの摩擦面と動きの方向に基づいて区別されます。
1. リーディングシュー(Leading Shoe)
- 意味: リーディングシューは、ブレーキドラムが回転する際に、最初にドラムに接触して摩擦を引き起こすシューのことです。
- 特徴:
- リーディングシューは、回転するドラムに対して前方に位置しており、ブレーキをかけるときに先に接触します。
- ドラムが回転する方向に、ブレーキシューがドラムに押し付けられる力を生みます。
- この接触によって、ブレーキシューは自動的にドラムに押し付けられ、摩擦力を発生させます。
- 役割: リーディングシューは、ドラムに強い摩擦をかけるため、制動力の発生に重要な役割を持っています。
2. トレーリングシュー(Trailing Shoe)
- 意味: トレーリングシューは、ドラムが回転していく中でリーディングシューの後に続くシューで、リーディングシューの後に接触します。
- 特徴:
- トレーリングシューは、ドラムの回転方向において後方に位置しており、リーディングシューの後から接触します。
- 回転していくドラムが、トレーリングシューを後方から押し付ける力を生みます。これにより、トレーリングシューはドラムと接触しますが、リーディングシューほど強い摩擦を生むわけではありません。
- 役割: トレーリングシューはリーディングシューと協力し、制動力を補完しますが、基本的にはリーディングシューが主導となります。
リーディングとトレーリングの区別の仕方
リーディングシューとトレーリングシューを区別する方法は以下の通りです:
回転方向に基づく区別:
- リーディングシューは、ドラムが回転する方向において先に接触するシューです。
- トレーリングシューは、回転方向において後から接触するシューです。
ブレーキの作動順序:
- リーディングシューが最初にドラムに接触し、制動力を生み出します。
- トレーリングシューはその後に接触し、リーディングシューの働きを補完します。
摩擦力の違い:
- リーディングシューは、ドラムに押し付けられる力が強いため、より強い摩擦力を発生させます。
- トレーリングシューは、摩擦力が相対的に弱く、リーディングシューを補助的に働かせる役割を担います。
ドラムブレーキの設計における位置:
- リーディングシューは通常、ドラムの回転方向で前方に位置しています(ブレーキがかかったときに先に当たる部分)。
- トレーリングシューはその反対側にあり、後から当たる部分です。
ドラムブレーキのリーディング・トレーリングの配置
ドラムブレーキの内部には、2つのブレーキシューが配置されています。これらは、リーディングシューとトレーリングシューの2つのシューで、相互に作用してブレーキをかけます。リーディングシューは回転方向で前方に位置し、トレーリングシューはその後ろに位置しています。
ドラムブレーキの動作:
- リーディングシューは、ブレーキペダルが踏まれた際に、ドラムの回転方向に沿って先に接触します。このため、リーディングシューは摩擦を引き起こす力が強く、最初にドラムを押し付ける動きに寄与します。
- トレーリングシューは、回転してくるドラムに後から接触しますが、トレーリングシューはリーディングシューの働きを補完して制動力を高めます。
まとめ
- リーディングシューはドラムの回転方向において前方に位置し、ブレーキをかけると最初にドラムに接触して摩擦を生じます。これが制動力を生み出す主役です。
- トレーリングシューは、リーディングシューの後に接触し、制動力を補完します。動作的にはリーディングシューの支援的な役割を果たします。
このリーディングとトレーリングの区別は、ドラムブレーキの構造と性能を理解するうえで重要な要素となります。