軽トラックのリア部分に**リジッドアクスル(ソリッドアクスル)**が採用される理由は、車両の特性と用途に最適化された設計だからです。軽トラックは主に荷物の運搬を目的としているため、耐久性や積載性が重視されます。その結果、シンプルで頑丈なリジッドアクスルが採用されています。
軽トラックにリジッドアクスルが採用される理由
1. 耐久性と頑丈さ
- リジッドアクスルは、一体型の構造で左右の車輪を連結しており、衝撃に強く、過酷な使用環境でも壊れにくい設計です。
- 軽トラックは悪路や荷物の積み下ろしが多い環境で使用されるため、耐久性が非常に重要です。
2. 積載能力の向上
- リジッドアクスルは荷重を均等に支えられるため、重い荷物を積む際にも安定性があります。
- 荷台に重い荷物を載せた状態でも、アクスルがしっかり車両を支えられるのが利点です。
3. メンテナンス性の高さ
- リジッドアクスルは構造がシンプルなため、修理やメンテナンスが容易で、コストも低いです。
- 軽トラックは農業や配送業などで使用され、頻繁にメンテナンスを行う必要があるため、この点は大きなメリットです。
4. コスト効率
- リジッドアクスルは製造コストが低く、耐久性が高いので、軽トラックのようにコストパフォーマンスが重視される車両に適しています。
- 独立懸架(サスペンション)が不要なため、シンプルで経済的です。
5. 走行の安定性
- 荷物を積載した際、車両の重心が後方に偏る軽トラックにおいて、リジッドアクスルは左右の車輪を連動させることで安定性を保つのに適しています。
リジッドアクスルのデメリット
軽トラックに適しているとはいえ、リジッドアクスルには以下のような欠点もあります。
乗り心地が硬い
- 独立懸架に比べると、路面の凹凸がそのまま車内に伝わりやすい。
- 軽トラックは主に荷物運搬を目的とするため、乗り心地の快適さは二の次とされています。
高速走行時の安定性が低い
- リジッドアクスルは曲がる際に左右の車輪が連動するため、スポーツカーや高速道路を走行する車に比べるとハンドリング性能は劣ります。
具体例:軽トラックのリアアクスルの構造
軽トラックでは、リジッドアクスルに加えて**リーフスプリング(板バネ)**がリアサスペンションとして使用されることが一般的です。
- リーフスプリングの特徴
- 荷重に応じてしなる構造で、荷物を積載してもアクスル全体が耐えられるよう設計されています。
- シンプルで頑丈、低コストで長寿命。
なぜ独立懸架ではないのか?
- 独立懸架(例えばダブルウィッシュボーンやマクファーソンストラット)は乗り心地や操縦性を向上させますが、軽トラックには不要な要素です。
- 軽トラックの目的は「荷物を効率よく運搬する」ことなので、耐久性や積載能力が重視され、リジッドアクスルが最適とされています。
まとめ
軽トラックのリアにリジッドアクスルが採用されるのは、その頑丈さ、積載性、コストの安さが理由です。軽トラックは主に荷物運搬を目的としているため、乗り心地や操縦性能よりも耐久性や効率性が重視されます。このような設計思想が、軽トラックの現場での高い実用性につながっています。