タイロッド(Tie Rod)は、車のステアリングシステム(操舵装置)の重要な部品で、ステアリングホイールの回転をタイヤに伝える役割を担っています。簡単に言えば、タイロッドはステアリング操作を車輪の動きに変換するためのリンク(連結部品)です。運転中のハンドリング性能と直進性に大きく関わるため、車の安全性に直結する重要なパーツです。
ステアリング操作の伝達
ステアリングホイール(ハンドル)を回すと、その動きがステアリングラックを介してタイロッドに伝わり、車輪が左右に動きます。
車輪アライメントの維持
車両が直進する際、タイヤの向きを安定させ、適切なトー角(タイヤの前後間の角度)を維持します。
振動の吸収
路面からの衝撃や振動を吸収し、ステアリング操作に不要な影響を与えないようにします。
タイロッドは大きく以下の部品で構成されています:
インナーロッド(Inner Tie Rod)
ステアリングラックと接続されており、ステアリングの動きを受け取る部分。
アウターロッド(Outer Tie Rod)
インナーロッドからの動きをタイヤハブに伝える部分。
タイロッドエンド(Tie Rod End)
アウターロッドの先端部分で、ボールジョイントにより可動性を確保しつつ、タイヤハブ(車輪)に接続されています。
ブーツ(Dust Boot)
タイロッドの可動部分を覆うゴム製カバーで、砂や水などの異物侵入を防ぎます。
タイロッドの劣化や故障が発生すると、以下のような症状が現れることがあります:
ハンドリングの異常
異音
タイヤの異常摩耗
車両の直進性の低下
タイロッドは消耗品であり、走行距離や使用条件によって寿命が異なります。
交換の目安:
タイロッドの交換費用は、部品代と作業工賃を含めて以下の範囲が一般的です:
また、交換後は必ずアライメント調整が必要で、その費用(10,000円〜20,000円程度)が別途かかる場合があります。
定期点検の重要性
異音や振動を放置しない
アライメントの調整
タイロッドは、車のハンドリングや安全性に直接影響を与える重要な部品です。異常があれば早期発見・交換することが、快適なドライブと安全運転を保つために不可欠です。また、定期的な点検やメンテナンスを行い、タイヤやサスペンションの寿命を延ばすことも大切です。