車の配線の色は、電気回路内での役割や機能を視覚的にわかりやすくするために使用されています。一般的には、配線の色によって電流の種類や回路の目的が区別されています。ただし、色の標準はメーカーや地域によって異なる場合があるため、整備マニュアルや配線図で確認することが重要です。
よく使われる配線の色と意味
1. 電源・電流系
- 赤(Red)
常時電源(バッテリー直結)。バッテリーのプラス端子から供給される電流を伝えます。
例: オーディオシステムのメモリー保持用、ライト系のメイン電源。 - 黄(Yellow)
イグニッション電源(ACCやON時に電流が流れる)。
例: オーディオやカーナビの起動電源。 - 黒(Black)
グラウンド(アース)。車体に接地する負極の配線。
例: バッテリーのマイナス端子や各電装品のアース。 - 青(Blue)
アクセサリー電源や信号線として使用。
例: 電装品のスイッチ信号、アンプのリモートコントロール線。
2. 照明・スイッチ系
- 緑(Green)
信号回路やライト系に使われることが多い。
例: ウインカーやターンシグナル。 - 白(White)
ヘッドライトのメイン回路や正極に使われることがある。 - 茶(Brown)
テールライトやブレーキライトなど、スモールランプや制御回路に関連。 - 橙(Orange)
ダッシュボードの照明やインジケーター系の回路。
3. 信号線系
- 灰(Gray)
センサーや通信回線に使用。
例: CAN通信線。 - 紫(Violet)
特定の制御信号やライト回路。
例: リバースライト(バックランプ)回路。 - 青/白(Blue/White)
オーディオシステムのアンプリモート線やアクセサリー信号。
4. 追加機能や特殊用途
- ピンク(Pink)
特定の制御回路や信号線に使用される場合がある。
例: エアバッグやセンサー信号。 - 黒/赤(Black/Red)
電装品の制御回路やスイッチ信号。
配線色の組み合わせ
配線には、単色と**ストライプ(縞模様)**の組み合わせが使われることもあります。以下は例です:
- 赤/白(Red/White)
電源に関連する副回路。 - 緑/黄(Green/Yellow)
ウインカーの右側(特定車種の場合)。 - 茶/白(Brown/White)
テールランプの信号回路。
車種やメーカーごとの違い
一部メーカーや国では、独自の標準に基づいて配線色を決めている場合があります。例えば:
- 日本車(トヨタ、ホンダなど)
色のルールが比較的シンプルで、マニュアル通りの配置が多い。 - 欧州車(BMW、メルセデスなど)
通信回路(CANバスなど)の配線が複雑で、色分けが細かい。 - アメリカ車(フォード、GMなど)
明確な色分けと太めの配線が特徴。
配線色を確認する際の注意点
整備マニュアルを参照する
車両ごとに異なる場合があるため、車種専用の配線図を確認しましょう。
テスターで確認
配線の役割が不明な場合、電圧や抵抗を測定することで確実に判断します。
配線を切断する前に確認
誤って重要な信号線や電源線を切断すると、車両に重大なトラブルを引き起こす可能性があります。
まとめ
車の配線の色には一定の意味があり、適切に理解することで修理や改造、トラブルシューティングがスムーズに行えます。ただし、車種やメーカーによって色の使い方が異なるため、必ず車両の配線図やマニュアルを参照することが重要です。