密閉型エンジン(または密閉型冷却システム)は、冷却液を循環させる際に外部の空気と接触しないように設計されたエンジンの冷却システムのことを指します。これに対して、開放型冷却システムでは、冷却液の補充や圧力調整のために外気と接触することが一般的です。
冷却システムが密閉されている:密閉型エンジンでは、冷却液が外気と直接接触することなく循環します。冷却系統は密閉された冷却回路内で循環し、ラジエーターキャップなどを通じてシステム内の圧力を調整する設計になっています。これにより、冷却液が蒸発しにくく、冷却性能が安定します。
加圧式冷却システム:密閉型エンジンは通常、加圧式冷却システム(プレスurized cooling system)を採用しています。これにより、冷却液の沸点が上がり、エンジンが高温になっても冷却液が蒸発しにくくなります。冷却系統は高い圧力に耐えるように設計されており、ラジエーターキャップや圧力弁を使ってシステム内の圧力を調整します。
冷却液の管理:密閉型システムでは、冷却液の蒸発や漏れを最小限に抑えることができるため、長期間にわたって冷却液の補充を必要としないことが一般的です。冷却液は循環し続け、システム内で安定して機能します。
密閉型冷却システムは以下の部品で構成されており、全体として冷却系統が密閉されています。
効率的な冷却:密閉型冷却システムは冷却液が蒸発せず、安定して循環し続けるため、冷却性能が安定しています。システム内で空気が入り込むことも少なく、冷却効率が向上します。
温度管理が容易:冷却システム内の圧力を制御することで、エンジン温度が安定します。加圧式の冷却システムでは、冷却液の沸点が上がるため、高温でも冷却液が沸騰しにくく、オーバーヒートを防ぎやすくなります。
メンテナンスが簡単:冷却液の蒸発を抑え、冷却液の漏れも最小限に抑えることができるため、冷却液の補充頻度が少なく、長期間の使用でも冷却性能が保たれます。定期的なメンテナンスがしやすいです。
エア抜きが簡単:空気が冷却系統に入り込むと、冷却液が適切に循環しないことがありますが、密閉型システムではこの問題を防ぐため、エア抜きが容易に行えます。システム内に空気が入りにくい設計のため、エア抜き作業の手間が少なくなります。
冷却液の漏れに注意:密閉型冷却システムは加圧がかかるため、冷却液が漏れた場合にシステム全体が正常に動作しなくなる可能性があります。特に、ラジエーターキャップやホースに異常があれば、圧力が低下し、冷却効率が悪化する恐れがあります。
高圧システムによる部品の負担:密閉型システムは高圧で運用されるため、ラジエーターキャップやウォーターポンプなどの部品に高い負担がかかります。これらの部品が故障すると、冷却システム全体の機能が失われることがあります。
システムが複雑:冷却系統に加圧がかかるため、システム自体が少し複雑になり、修理や交換時に注意が必要です。また、圧力調整や冷却液の管理が正しく行われないと、過熱や冷却不良が発生することがあります。
ほとんどの現代の水冷エンジン(自動車やオートバイを含む)は密閉型冷却システムを採用しています。特に、自動車や大型のオートバイ(ツーリングモデルなど)では、このタイプの冷却システムが一般的です。現代のエンジンは高性能で高回転の運転を行うため、冷却効率の良い密閉型システムが必要とされます。
密閉型エンジンは冷却システムが外気と接触せず、加圧式の冷却方式を採用しているエンジンです。冷却液が蒸発しにくく、安定した冷却性能を発揮するため、現代のエンジンの多くで採用されています。このシステムによりエンジンの温度管理が効率的になり、オーバーヒートのリスクを減らすことができますが、圧力管理や部品の負担にも注意が必要です。